■小売業への提案は「市場とのギャップを埋める」のが正解??
得意先への提案が「いつも同じパターンになりがち...」と伺うことも少なくありません。
それはもしかしたら「市場の捉え方」が固定化していたり、「市場とのギャップを埋める」ということに囚われ過ぎているのかもしれません。
登場人物のご紹介
本コラムの主人公、江藤さんが所属している「MK食品株式会社」のメンバーや、取引先の「TMスーパー」のバイヤーさんなどをご紹介。
カテゴリー市場シェア3位メーカー。バイヤーと直接商談できる得意先は多い。
- 江藤さん(営業担当)
- 前任の急な退職により、急遽TMスーパーの本部担当に抜擢
- 塚田さん(課長)
- 江藤さんの上司で、元エース営業担当
現在は担当先を持たずマネジメントに専念
- 鈴本さん(営業担当)
- MK食品の新入社員
- 椎谷さん
- 頼れる本部スタッフ、のちのち登場予定
関東を中心に伸び盛りなスーパー
SM業界TOP5も見えてきたところ
- 片岡さん(バイヤー)
- MK食品を含むカテゴリーに新しく着任
「前任よりも実績を出していきたい」とやる気満々
■弱みを克服する提案、強みを活かす提案
TMスーパーさんへの提案書をさらに見直し、改めて提案内容を塚田課長にチェックしてもらっている江藤さん。その時、塚田課長から鋭い突っ込みが...。
【MK食品 量販営業部オフィス】
TMスーパーさんへの提案、改めてチェックしてもらえませんか?
最初に比べたらだいぶいい感じになってきたね。
ただ、俺がバイヤーだったら突っ込みたくなるところはあるな。
どこですか!?
現状もしっかり整理されていて、問題提起までは良くできていると思う。
片岡バイヤーの目標を達成するために、全国の市場データを比較して、凹んでるこのサブカテゴリーに力を入れましょう、って結構筋の通っていると思うのですが...。
ただ、俺がバイヤーだったら「全国と比較されても、弊社が商売してるのはあくまでもこのエリアなんで。」って突っ込みたくなっちゃうかな。
エリアを絞る以外にもやり方はあるんですか?
要因はいろいろ考えられるけど、いずれにしても「お客様の取りこぼし」が起こっているわけだ。
だから、「○○なお客様を獲得していくことでカテゴリーの活性化につなげましょう。」っていう解決の方向性を示すことができるよね。
どういうことですか?
その逆で、市場よりも勝っているところを伸ばしていく、つまり「強みを活かす」っていう提案の仕方もある。
マイナスのギャップを埋めていくってことに囚われ過ぎていました!
TMスーパーさんの強みの活かし方も考えてみます!
■本部商談奮闘記 今回のポイント
今回は提案における解決策の方向性、つまり課題設定の着眼点についてお伝えいたしました。
もし「ワンパターン化」にお悩みでしたら、提案の幅を広げるヒントにしていただければと思います。
- ★今回のポイント★
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- 市場と比較して課題設定をする場合は、得意先の視野に合わせた市場に分解する
- 「弱みの克服」だけでなく「強みを活かす」視点も持つ
- 半期商談の前から得意先や卸とコミュニケーションを取って、課題を共有しておく
筆者