誰から強化を進めるか
営業力強化を進めていく際に、よく議題にあがるのは、「誰から強化をしていくか」ということです。
せっかく計画をして人材育成に投資を行うのであれば、まずはマネジメントをする「営業マネージャーからにすべきだ」という結論になるケースが多いのですが、実際には営業の第一線で活躍されている中堅~若手から、となる事が非常に多くなっています。
「マネージャーはやっぱり忙しい」
「さすがに、マネージャー層はもう出来てるんじゃないか」
「新たな知識・スキルを身につけるマインドが低いのではないか」
このような声が社内の特に上層部から出てくることが多いと思います。
そこで白羽の矢が立つのは、「中堅~若手」の方になります。
なぜかというと、「効果の即時性」の期待が一番大きいからです。
「若手は経験値が浅く、吸収も早い」
「他社と比較して、今の営業のやり方に疑問を持っている中堅は多い」
「実際、基本的にOJTでしか育てられていないから、先輩によって成長にも差が出ている(から平準化を図りたい)」
といった理由で選ばれるケースが多いです。
※このほか、最近では若手に対して「"背中を見て学べ"には限界がある。時代に合わない」という声も多くなってきています。
このような様々な理由で、中堅~若手からスタートさせることが社内的スムーズな入り方になるケースが多いです。
中堅・若手の教育の方向性は?
対象が中堅・若手に決まったら、現状把握を行い、実施する内容を決定していきます。
特に、"若手"の現状を把握を進めている中で、最近「多くなってきた」と感じることには次のようなことがあります。
①意外と、小売業・バイヤー・卸店のことを知らない、教わっていない
②店頭を見に行っていない(見方が分からない)?
③自社商品のことも詳しく説明できない
④"提案している"といっても、社内のマーケティング資料を持参しているだけ
例えば、「①小売業のことを教わっていない」については、業態内での競争環境であったり、小売業の中の組織について知らないということが多いです。
「SVって何をする人ですか?」ということは珍しくありません。
また、「③自社商品のことも詳しく説明できない ④ "提案している"といっても、社内のマーケティング資料を持参しているだけ」では、本社が期待をしている提案のレベル感と、実際の活動内容に乖離が出ている事があります。
"提案をしている"という定義を社内で共通認識を持つ事も非常に重要です。
上記のような状況に合わせ、まずは「相手(得意先・バイヤー)を理解しよう」ということから始めていくことが増えてきています。
マネージャー層への拡大
マネージャー層に対しては、時期を追って半年~1年後にスタートを切るケースが多くなっています。
中堅・若手で成果が上がり始めると、徐々にベテランにも変化がみられるようになります。
「今の自分のやり方、もしかして合ってないのかな?」「自分たちも変わらないといけないのかな」といった変化に加え、「若手の教育、何やってんの?」というように、直接的に興味を持たれる方も多いです。
マネージャー層は、自分たちの先輩方に「俺の背中を見て学べ」と言われてきた方たちが多いので、実際のところ「現在求められる営業のやり方」や「営業の教え方」について、ご自身が教わったことが無いというケースがほとんどです。
そこで、中堅・若手の方と同じように教育を実施すると、「やっと投資してくれた」という感じから、本社・事務局の方が想定する以上に真面目に取り組んでくださる事が非常に多いです。
いかがでしたでしょうか。
まずは「行動を変化させやすい中堅・若手から実施することで、成果を出す」という考え方についてお伝えいたしました。
次回は、「マネジャー層の強化の進め方」についてお伝えいたします。
筆者