前回の奮闘記は、塚田課長が営業活動の流れを「3つのゲート×3つのステップ」と解説をしてくれました。
皆様が実践されている営業活動と見比べていかがでしたでしょうか?
今回は、「3つのゲート×3つのステップ」のひとつめの活動、「得意先の情報収集」についてお伝えしていこうと思います。
登場人物のご紹介
本コラムの主人公、江藤さんが所属している「MK食品株式会社」のメンバーや、取引先の「TMスーパー」のバイヤーさんなどをご紹介。
カテゴリー市場シェア3位メーカー。バイヤーと直接商談できる得意先は多い。
- 江藤さん(営業担当)
- 前任の急な退職により、急遽TMスーパーの本部担当に抜擢
- 塚田さん(課長)
- 江藤さんの上司で、元エース営業担当
現在は担当先を持たずマネジメントに専念
- 鈴本さん(営業担当)
- MK食品の新入社員
- 椎谷さん
- 頼れる本部スタッフ、のちのち登場予定
関東を中心に伸び盛りなスーパー
SM業界TOP5も見えてきたところ
- 片岡さん(バイヤー)
- MK食品を含むカテゴリーに新しく着任
「前任よりも実績を出していきたい」とやる気満々
■得意先の情報を収集するためにできることは何だろう?
「3つのゲート×3つのステップ」に沿って営業活動を実践してみようとしている江藤さん。
ただ、具体的にどのような情報をどのように収集していったらよいのか、イメージができていない様子...。
【MK食品 量販営業部オフィス】
まずは得意先を知るのが大事って。
そういえば私、TMスーパーさんのことほとんど知らないっす!
それでよく片岡バイヤーに突撃で商談に行ったよな。ある意味すごいわ。
まぁ江藤はもともとほかのエリア担当だったし、前任の青田さんも急な退職で引継ぎもままならなかったから仕方ないか。
これからいろいろと情報収集していけばいいよ。
・・・・・・
ってなにしたらいいですかね?
全く仕方ないな...。
じゃあ長くなりそうだから、大きく二つに分けて話すことにするよ。
ひとつは企業や部門についての情報収集と、もうひとつはお店や売場周りの情報収集。
1日ひとつでお願いします。
例えば企業としてのビジョンや中期経営計画、今期や来期の方針、とかだね。
得意先がこの先何を目指しているのかは知っておかないとね。
どんなお客様や商品に注力して成果を伸ばしていきたいのか。
そのために売場や販促をどうしていきたいのか。
当然、特にこのあたりは俺たちの商談に直結してくるところだから、しっかりと把握しておかないといけないね。
復習になるけど、今話したような全社、部門、カテゴリーの方針や計画が、いつ、どんな情報を元に、どんな場で、誰が関与して、最終的に誰が決裁しているのか、もしっかりと押さえておこう。
他にはどんなことがあるんでしょうか?
例えば、得意先全体でいうと、直近数年の全社売上高や店舗数の推移。
細かい説明は省くけど、売上高の推移は既存店の数字を見ておくと、得意先が伸長しているのかどうかがわかりやすいよ。
結構いろんなことを把握しておかないといけないのはわかったんですが、実際これをどうやって情報収集すればいいんですか?
カテゴリーの実績とかは販売データを共有してもらえればもちろんベスト。販売データがなかなか手に入らない場合は、自社や卸からの出荷データで代用する、という手もある。
日ごろから関係性を作る活動をどれだけやってるかがやっぱり大事なんじゃないかな。
できるような気がしてきました!
■本部商談奮闘記 今回のポイント
今回のコラムでは得意先の情報収集について扱って参りました。
得意先との関係構築や、提案を形作っていくためのベースになる活動ですので今一度ご確認いただければと思います。
トレードマーケティング部で「本部商談クエスト~3ステップ攻略~」と題して、情報収集用のテンプレートを無償でご提供しています。よろしければぜひダウンロードしてご活用ください。
本部商談クエスト~3ステップ攻略~
- ★今回のポイント★
-
- IR情報や、業界紙、ニュースサイトなどからも情報を集めておこう
- 販売データがなくても、自社や卸のデータを活用してカテゴリーの状況を洞察してみよう
- 営業活動をしやすくするために、バイヤー、卸、他メーカーとの関係性を築く活動をしよう
筆者