マーケティング研究協会トレードマーケティング部は2021年12月7日、消費財メーカー様向けに無料ウェビナー「2022年度版!これからの本部担当営業-組織営業力強化の方向性-」を開催いたしました。
本セミナーは、はやいスピードで社会環境が大きく変化していく中、メーカーの営業はどのようなことを取り組んでいくべきか?ということについて、弊社取締役 営業本部長の塚本がお話させて頂きました。
生活者と小売業の変化にメーカー営業が対応するとは?
最初に、そもそも、なぜこのようなセミナーを開催するに至ったのか?というところから改めて整理したいと思います。
新型コロナウィルスの感染拡大を機に、我々の生活スタイルが大きく変わり、「モノを買う」という購買行動の在り方も大きく変わりました。
こうした生活者の変化に対応するために、小売業・店舗も様々な対応に迫られてきました。お客様の来店規制や各種消毒作業等、ただでさえ慢性的な人手不足が叫ばれていた中でさらなる業務負荷が掛かるようになり、集客活動や接客の自粛、チラシ・試食販売の取りやめやテスター撤去等、売場や販促についての考え方も、大きく変更せざるを得なくなりました。
結果的に、これらを補うべくして、それまで推進していた「DX化・デジタル化」にもより拍車が掛かっています。
これらの変化をメーカーの営業部門視点から考えてみると、どうでしょうか?
メーカーの営業は、変化に対応する小売業・店舗に呼応するように、変化していきました。
商談のオンライン化であったり、チラシに代わる販促手段の提案であったり、小売業からの要望・依頼ベースで変化対応してきたケースが多いのではないでしょうか。
そこで、私の中でひとつの疑問が生まれてきました。
「果たして、実際に小売業の方は、昨今の状況での"メーカーとの商談"をどのように捉えているのだろうか?」ということです。

この疑問からスタートし、これからのメーカー営業の活動強化に役立ていただくいため、小売業の方へアンケート調査を実施しました。
200名を超える方から「イマの声」が集まり、この結果より見えてきた実態をもとに、本部担当の方がこれからどのようなことを考えながら営業活動をしていけばいいのかというヒントをお伝えさせていただきたく、セミナーを企画いたしました。
小売業がメーカーの営業活動で重視していること「情報提供」「方針理解」
セミナー当日は、【第1部 小売業とメーカーの今を探る】と題して、調査結果のサマリーを中心にお伝えしました。そして、これらのトピックスに対して、【第2部 これからのメーカー営業が考えるべきこと】と題して、具体的にどのような活動・アクションを取っていくべきか?とういうことについて、解説させて頂きました。
調査結果の詳細はこちら(メーカーとの商談・販促立案に関するアンケート2021)をご確認頂きたいのですが、大きくまとめると下記のような回答が挙がりました。
・コロナ禍で商談を減らしたメーカーとは、元に戻さないかもしれない
・我々小売業は"外部情報の提供"を重要視している
・自社方針にそぐわない提案は、そもそも聞く意味が無い
・メーカー上層部の"表敬訪問"には満足している
・デジタル化への対応は積極的に提案が欲しい
これらに対応するにはどうしたら良いのか?
さらに営業組織を強化していくためには何をすべきか?
そのために必要な視点を"10項目のチェックリスト"とし、セミナー内でアンケート形式にて、ご参加の皆様にも回答を頂きました。
皆様にチェックして頂いたのは、下記の10項目です。
- 【環境変化】
環境の変化とは具体的に何が起きているか、小売業・お客様の視点で説明ができる - 【商談回数】
商談が減ってしまっても、コンタクト回数を維持・拡大できるようにしている - 【情報提供】
得意先(小売業or卸)に提供する情報は、得意先が直接聞きたくなるメリットのある内容である - 【市場・生活者】
起きている数字の事実と、その背景にある要因を分析し、自分なりの見解を整理している - 【方針理解】
担当小売業の全社方針・部門方針・カテゴリー方針を見聞きして調べている - 【意思決定】
担当小売業の半期や販促手段の種類・意思決定を把握して、タイミングに合った活動をしている - 【営業幹部】
自社の上層部は、小売業の幹部と"何を共に取り組むか?"という課題に沿った会話をしている - 【ダイヤモンド営業】
営業担当者は自社の関連部門を巻き込み、バイヤー以外とも積極的に接点を作っている - 【活動基準】
自社の営業活動は、何を・どのようにして行動すれば良いか、チェックポイントや基準が
定義されている - 【営業マインド】
私(我々)は変化を恐れずに対応し、他社に先駆けて積極的な営業活動を推進している
皆様にご回答頂いた傾向は以下の通りです。(画像をクリックするとグラフが拡大します)
小売業がメーカーの営業活動で重視している「情報提供」「方針理解」については、メーカー側はなかなか行動できていない様子が見えて参りました。
営業部全体で意識を合わせて活動していくのはとても困難な取り組みですが、こうした結果を踏まえ、強化していくポイントを定め、一歩ずつ前進していくしかないのではないでしょうか。
今回は200名近い方にセミナーをご視聴頂きました。
また、定期的にこのような情報発信をして参りたいと思います。
筆者