1.はじめに
大好評!成長する業務用営業組織のつくり方の第3回は「適切な商談を実施する」です。
今回は、営業活動で切っても切り離せない商談の話になります。
商談のポイントは何か、そのポイントを外さない商談を実施するために何をすればいいのか。商談は事前の段取りが8割とおっしゃる内田さんに商談のポイントについて解説していただきます。食品メーカーの業務用営業部門で責任者、マネジャーを務められている方はぜひご一読ください。
2.商談の成否を握る2つのポイント
「商談の成否を握るポイント」というとみなさんは何を想像されるでしょうか?
いい商談を実施するための商談のストーリーづくりや提案書づくりでしょうか。作りあげた提案書をよどみなく伝えるプレゼンテーションでしょうか。もちろんこれらも大事である事は変わりません。
しかしながら、経験上商談で最も大事な2つのポイントは「いつ」「誰と合うか」になります。 2つのポイントと記しましたが、この順番も重要だと考えています。
まず「いつ」ですが、取引先がいろいろと意思決定するタイミングで商談できていることが必要です。
意思決定をするタイミングで商談を行うのではなく、その前に商談を終えている様にしたいですね。通常、普段から深くお付き合いをしている取引先でないと事前の商談オファーは無いと思います。ですので、待っていてもいい商談のタイミングは掴めません。いい商談を実施するために得意先が次期の方針や戦略を決定する前のタイミングを捉えたいですね。方針や戦略が決まってしまうと、その条件に合う商品を扱っているか、方針の実行に必要な支援を提供できるか否かがポイントとなってしまい、前回記した「自社の強み」を生かせるフィールドで戦えない可能性があります。
では、どうすれば商談のタイミングが捉えられるのかという話ですが、私は得意先の業務サイクルを把握することから始めました。直接取引先に聞くだけでなく、さまざまなサプライヤーからも情報を収集します。まずはできる限り情報収集のネットワーク広げることを心掛けてください。
特に他社営業担当者で得意先の担当歴が長い人は多くの情報を持っていますからそれらの人から「いつ商談すべきか」の情報を得られる関係は必須です。
どんなにいい商談を準備できても「タイミング」を外してしまうとほぼ受注はなくなります。必ず「いつ商談すべきか」を把握することを努めてください。
次にポイントとなるのが「誰と」商談するかです。
商談の目的は「(提案や商談内容の)合意を得ること」ですので、意思決定できる人と商談を実施できているかが大事なポイントとなります。
「誰と」を明確にするために得意先の主要人物を押さえる必要があります。得意先の規模がそれほど大きくなく、トップがすべてを決めているということであれば会うべき人はトップとなりますが、規模が大きく組織化されている場合では普段商談を実施している窓口の担当者だけでなく、その上司や部門の責任者、マーケティング部など他部門のメンバーなど取引上関係する部署と主要メンバーとその部門長などを把握します。主要メンバーについては組織図を描けるくらいまで情報を集めます。
合わせて誰が、何についての権限を持っているのかも調査します。商談で合意を得るためには、合意を判断できる人が同席する商談を実施する必要があります。いま、自分が商談している内容を判断できる人が同席している事は必須条件と言えます。意外とこの点をないがしろにしたまま商談をしているケースが多かったです。今日の商談内容は窓口の担当者では判断できない内容だ、という場合は判断できる人に同席していただく必要があります。誰が、何についての権限を持っているのか、についてはすぐにはわかりませんが時間を掛けてでも把握しておくようにしましょう。
加えて、主要メンバーの性格を把握する必要があります。
特に変化や新しい試みに対して積極的か否かは商談の採否に大きく影響します。こちらも時間を掛けて把握するようにします。
近年は、大きな組織は集団で意思決定を行います。提案の際に誰が私たちの提案に積極的で、誰が消極的なのか、消極的な人に影響力を持っているのは誰か、などについても把握するしたいですね。
私の経験上、多くの企業で反対派(現状維持派)の方が声が大きく、意見を主張する傾向があります。反対派の障害を乗り越えて商談を成立させるためにも取引先の情報を収集し定期的に更新し続けてください。
多くの企業で顧客台帳などを拝見しましたが更新されていないことがおおいです。まず顧客情報を収集し、顧客台帳を定期的に更新することから始めてください。
次回は商談内容をもう少し掘り下げて「受注率を上げる」ことについて言及します。
商談の成果=商談回数✕受注率✕1案件あたりの受注金額になります。そうすれば商談の成果を上げることができるのか紐解いていきます。
次回もお楽しみに。
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筆者
マーケティング研究協会