コラム

OJT・人材育成マニュアル作成のススメ第2回 OJTの体制づくり①「時間が無い中でどのようにOJTするのか?」

マーケティング研究協会

中村 佳美

2020.01.29.Wed.

第1回はビジネス環境の変化を背景に、人材育成やOJTの現場でマニュアル存在が有効であることに触れました。(第1回 マニュアルの必要性が高まるOJT現場

第2回は、短時間で効率的にOJTを実現するために、マニュアルをどのように活用できるのか、体制づくりの面から触れていきたいと思います。

ポイント1:基本習得はマニュアルで時間短縮

効率化できること、できないことを整理することが体制づくりの第一歩です。 限られた時間のなかで、新人を早く育成したい場合、時間を短縮できるとしたら「誰もが備えるべき必須の業務スキル・能力」の習得、つまり標準化の部分ではないでしょうか。

この基本が、難易度もそれほど高くなく誰でも教えられるような内容でありながら、それ故に先輩や上司の頭の中に収納されてはいないでしょうか。いざ教えようとなった時に「どこまで教えるんだっけ」「どれくらいのレベルでできれば良いかな」と考え始めては、教える前から時間のロスです。また、各自が教えたいように教えてしまうことで、新人の業務習得にバラつきも生じます。

最初からマニュアルに整理されていれば、誰もがそれを活用して教えることができ、必須の業務スキルを求めるレベルまで教えることができるのです。

ポイント2:応用力の指導に時間を割く

一方、基本の習得をマニュアルで効率的に行なえるのであれば、時間を割くべきは応用力の指導です。

例えば営業や販売など対顧客の業務では、顧客の反応を捉えて行動や施策を見直したり、相手の気持ちを想像して気を働かせるといった場面はマニュアル化できません。その業務で顧客に何を提供したいのか、というマインドやフィロソフィーのもとで対応するのか、その都度考えさせて気づかせたり、時にノウハウを共有しながら学ばせるプロセスと時間が必要です。

思考力や臨機応変さを求められる時代だからこそ、この部分に時間を費やす方が結果的に早期戦力化につながるのではないでしょうか。

ポイント3:基本のOJTは複数で対応

各自が自律して業務を回し、また組織がフラット化し、より個人のパフォーマンスが問われる今の時代に、新人育成を誰か一人に課すことは負担になりかねません。マニュアルを使って業務の基本を教えることのメリットの一つに、教える人を1名に限定する必要がないという点があります。

なぜかというと
・教えるべき内容が教えるべき順番に、見える状態で整理されているので誰でも教えられる
・何をどこまで教えたのか、履歴を残せば他の人に引き継げる
・2~3名のチームで育成にあたることで、教える側のOJTの時間を分散させることができる

もちろん複数で対応するのであれば、OJTの計画を立てたうえで、教える側がコミュニケーションを密にして進めていく必要があります。また責任の所在を明確にするために、管理職が絡むことも重要でしょう。


次回は、マニュアル作りに取り掛かる前に、人材育成に重要な3つのポイントに触れていきます。

筆者

マーケティング研究協会

中村 佳美

商社の事務職、営業コンサルティング会社の営業職を経て、2012年マーケティング研究協会入社。企画営業職として、クライアントの営業力強化、マーケティング強化を支援している。クライアントの支援を通じて学んだ人材育成ノウハウ、新人時代に受けた上司の優れたOJTの経験を活かし、営業販売部門のOJT・人材育成業務のマニュアル作成支援も行っている。

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