2019年5月30日(木)UP マーケティング

医薬品プロダクトマネージャーの育成を考える~プロマネ育成の悩み~

最近の製薬業界におけるマーケターは、経験に拠るところが大きく、優秀な若手が育っていないと感じたことはないでしょうか?


昔は、外資系企業などでは見込みのある若手・中堅社員を海外の本社に1-2年ほど派遣し、OJT型の研修を通じて網羅的にマーケティング部門の業務を経験させてから帰国し、重要な新製品のプロダクトマネージャーに任命されるというケースもあったのですが、最近ではこうした体系的な育成プログラムを持つ企業は減ってきていると感じています。


一つには、業界全体の流れとしてコマーシャル部門(特に本社部門)の人員を削減したり人材育成に関する経費が削減されたりしているなどもその理由かもしれません。また、プロモーションコードの厳格化により戦術メニューが限られたり、マーケティング部門の発売前対外活動が制限されたりするなども影響しているかもしれません。しかしながら、製品の価値は、科学的なパワー(製品プロファイル)だけで決まるものではなく、思った成果(つまり販売目標やシェアなど)が得られない場合、その原因に「マーケティングの質」が影響していることは、程度の差はあるものの間違いないところではないでしょうか。


では、「マーケティングの質」を向上させたいという目標を設定するとしたら、部門の管理職は、それを達成するために何をすべきなのでしょう?自部門の優秀なトップマーケターのスキルを横や下に展開する、あるいは経験の少ないプロマネを集中して育成するなどのプランを作るかもしれません。多くの企業がこうした取り組みを実践していると思いますが、余りうまく機能したという事例が聞こえてこないのは何故でしょうか?


内部リソースを使うときに、業務の過度な負担は、よく出てくる原因かと思います。それを回避する目的でも利用される外部の公開型研修では包括的な知識の習得や他企業の同職種から刺激を受けるという面では確かに効果があるのですが、一般論を中心とした講義型のプログラムが主体で、中長期的な視点から見て継続性に問題があったり適切な時期に開催されなかったりといった不便・不満があるかもしれません。私自身は、外部講師を自企業に招いたプログラムが有効だったという経験がありますが、その際に注意すべきは自企業の抱えている課題を講師と共有し、その進歩に繋がるようなテーマを設定できるかだと思います。

コラム筆者紹介

講師紹介

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講師名 末延 成彦
所属 元外資系製薬企業 マーケティンググループマネージャー
略歴 10年超のMR経験を経て、複数の外資・内資製薬企業のマーケティング部門にてジャンルの異なる疾患領域の製品マーケティング業務を担当。 プロダクトマネージャーやグループマネージャーとして新製品の発売や適応追加などを数多く経験。2018年11月より個人でマーケティングコンサルタントとして活動し、現在に至る。信条は、医薬品の価値最大化を通じた患者さんと医療の発展への貢献の追求。

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