2018年5月25日(金)UP 営業力強化(消費財)

レポート:北九州店舗視察セミナー

2018年7月にスタートする「ブランド育成提案営業塾 第3期」を共催頂いているSegment of One & Only株式会社様(以下SOO様)が主催する「北九州地区店舗視察セミナー『ローカルチェーンの生き残り戦略』顧客育成とブランド育成」に参加して参りました。

ID-POSを活用して顧客育成・ブランドを育成するために製配販がどのように施策を考えているのか、またお客様とのコンタクトポイントである店舗では実際にどのような取り組みがなされているのかを2日間で体感して参りました。



【2日間での開催内容】

第1部:サンキュードラッグ様主催「第134回 潜在需要発掘研究会」
第2部:SOO様主催セミナー「ローカルチェーンの生き残り戦略/ID-POSマーケティング・デジタルマーケティングの最先端」
第3部:SOO様主催「店舗視察」



【ブランド育成 提案営業塾2018】についてはこちら

 http://www.marken.co.jp/2016/12/2017.php

第1部:サンキュードラッグ様主催「第134回 潜在需要発掘研究会」

潜在需要発掘研究会とは、2004年からサンキュードラッグ様が主催しているメーカー、卸、小売の製配販が協働でID- POSを活用した潜在需要発掘のための施策提案や検証をし合う研究会です。 今回は製薬・食品メーカー様等3社からの施策提案と、日用雑貨メーカー様等2社の結果検証報告が行われました。


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研究会では、お客様と実際に間近で接している店長様からは自店舗での購買動向を基にしたご意見があり、他メーカー様からは売り方・シーン提案としてコラボレーションできるのではないかというご提案などがありました。

サンキュードラッグ平野社長・JBtoB奥島社長からのフィードバックでは、さらにその製品の曜日・時間帯別の買われ方等の情報をその場でID-POSより分析し、より効果的に展開するためのアイデアを提示されていらっしゃいました。

製配販それぞれが「自社だけが儲かる」ためではなく、店舗に来店されるお客様に対してまだ気づいていない商品をマッチングして幸せになっていただく、その共通目標に向かって活発な意見交換がされているのが印象的でした。


第2部:SOO様主催セミナー「ローカルチェーンの生き残り戦略/ID-POSマーケティング・デジタルマーケティングの最先端」


第2部では平野社長より「ローカルチェーンの生き残り戦略」と題し、21世紀のチェーンストア、特にローカルチェーンとして小売業が果たしていく役割についてお考えをお聞かせいただきました。
高齢化・人口減が進んだ20年後、ローカルチェーンが生き残るには、いかに狭商圏で近隣の方に繰り返し来店していただくか、そのために他業種とも相互連携していくという試みについてご説明いただきました。

また、店舗に来店してもらう頻度を増やすために、ID-POSやドラポン!と呼ばれるデジタル施策を有効に活用するための取り組みとして、第2部ではデジタルマーケティングの最新事例についてSOO様取締役 事業統括本部長 足立様よりお話を頂きました。

2018年5月現在12万人を超える会員を持つドラポン!は、2017年5月の時点では約7万4000名と、毎月約4000名ずつ会員を増やしているSOO様のデジタルツールです。
購買履歴だけではなくページ閲覧履歴などからもお客様をセグメンテーションしてリーチすることができ、今後はアプリも実装するなどの進化をしていくとの事です。
小売業・メーカーにおけるデジタルマーケティングの在り方がまた一層変化していく事を実感致しました。


第3部:SOO様主催「店舗視察」


サンキュードラッグ様が出店されている北九州市は直近5年の人口減少数で日本第1位(5年で約15,000人減)、政令指定都市で最も高い高齢化率であり、将来の日本の縮図とも言われるような地域です。そのような環境に加え、ディスカウント系のチェーンストアも多数参入してきており、人口は減りながらも競争が激化しているエリアです。
そのような市場で、実際の店舗ではどのような取り組みをされているか、顧客属性の異なる店舗ごとで売場での違いはどうなっているのかを体感するためサンキュードラッグ様とSOO様会員企業である新生堂薬局様の実店舗を見学してまいりました。

1店舗目は一次商圏500m内にマンションなどの新興住宅街がありお客様構成比で40-50代、ついで20-30代のファミリー層が高いサンキュードラッグ一枝店様です。
当該店舗は5年程前にリニューアルオープンされ、調剤薬局の他、漢方薬局も併設されています。



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漢方は非常にカウンセリング力が必要とされる商材で薬剤師の方の知識・スキルが鍛えられるとの事で、「スタッフ育成の場」としても活用されていらっしゃるそうです。

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売場ではファミリー層の来店比率が高いこともあってか子育て世代に向けた商品と訴求POPなどが随所で見られました。ID-POSでリフト値を算出し、こういったセグメントのお客様に響きそうな商品やメッセージは何か?と考えられた結果を店舗に伝達し、店頭実現されています。


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一方で、一枝店で一番構成比が高い40~50代に向けたダイエット商材や、眼精疲労などの売場も特徴的でした。アイマスクやルーペの他にドリンク、目薬等を隣接させ売場として構成されており、疲れ目のお客様へ向けた解決策がこの売場から伝わるようになっています。

二店舗目はお客様構成比の40%以上を占めるのが60-80代の高齢者単身・高齢者夫婦世帯となるサンキュードラッグ平野店様です。


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こちらの店舗は近くに学校もあり、駐車場も広く作られていますが、店舗入口には緑のある休憩スペースがありました。こちらは本来園芸用品を陳列するスペースにされる予定でしたが、「高齢者の方に店舗に求めることはなんですか?とアンケートを取ったところ『お店についたらまず休憩したい』という回答があり、売場ではなく休憩スペースを導入した」との事でした。 実際に高齢のお客様が来店されてからまず休憩し、買い物を一通りされご帰宅する前にまたこちらのベンチで休憩してから帰っていかれる姿をたびたび目にされるそうです。

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平野店様ではスマイル体操教室というヨガやストレッチなどを店内で行う自由参加型(有料)の運動プログラムを実施しています。こうした健康意識を向上させるイベントを実施しながら、店内ではスポーツ関連用品も多く販売されています。お客様の来店目的を増やす取り組みと品揃えが連動していました。

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また近隣に競合となるスーパーマーケットなどがあまり多くないこともあり、ドラッグストアでありながら生鮮と一部店内調理の総菜も販売されています。

単身者に限らず高齢者世帯は「中食」が増えていると言われていますが、冷凍食品のサブカテゴリ―も細かく分けられかなり充実した売場が構築されています。その日の食事はお弁当や総菜、明日以降の食事として冷凍食品でそろえるという高齢者世帯の生活を感じられる売場でした。

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また、「ネコ用フード」の品揃えもとても充実しています。特に、大容量のキャットフードのようなメインとなるものよりも、「おやつ」として食べられる商材が群を抜いています。 これは、大容量のものはECや宅配で済ませてしまう購買の変化が起きている中、一方でちょっとしたご褒美などに食べさせるおやつは特定のものではなく、様々な種類をあげたいというペットオーナーの心理からこのような売場を作られている様子でした。ペットフードを購入されるお客様は店舗にとっての優良顧客である事も多く、来店頻度や買上点数の増加がみられるそうです。

店舗視察を通して、中長期的な「顧客育成」という視点で製配販で協働していくことが今後人口減少・高齢化の進む我が国ではさらに重要となっていく事を再確認しました。

これからは、ヒトの動きがわかるID-POSの活用はもちろん、それと連動したデジタルマーケティングの仕組みと店頭での実践をより多く積み重ねた企業こそが生き残っていくと強く感じた2日間でした。


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