2016年9月13日(火)UP 営業力強化(生産財・産業財)

代理店戦略=再考3【5:分類分類D 「サービス型代理店」の戦略課題とメーカー政策】

代理店戦略=再考= 」「代理店戦略=再考2=」と合わせて、生産財・産業財メーカーの皆様にとって代理店戦略立案の一助となれば幸いです。

なお、本コラムでいう「代理店」とは、製品・サービスをエンドユーザー(法人)に販売するためのチャネル(販路)のひとつであり、一般的には販売代理店、ディーラー、特約店、販売店などの名称で呼ばれている企業を指します。


CONTENTS
 第1回 『なぜ代理店を特性ごとに分類することが必要なのか?
 第2回 『分類A 「専門商品複合機能店」の戦略課題とメーカー政策
 第3回 『分類B 「総合商品複合機能店」の戦略課題とメーカー政策
 第4回 『分類C 「専門商品単機能店」の戦略課題とメーカー政策
 第5回 『分類D 「サービス型代理店」の戦略課題とメーカー政策
 第6回 『分類E 「課題獲得型代理店」の戦略課題とメーカー政策
 第7回 『その他 「広域型代理店」と「地域密着型代理店」の併存

前回のコラムでは、代理店の特性分類C「専門商品単機能店」について、代理店の戦略課題とそれに対応したメーカー政策をご紹介しました。今回は特性D「サービス型代理店」について、同じく代理店の戦略課題とそれに対応したメーカー政策を見ていきます。

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1.「サービス型代理店」に該当する主な業種と取り扱い製品、代理店の保有機能

この分類の主な業種として、情報システム、通信システム、放送システム、医療診断システムなど、様々な製品をつなぎあわせシステム化する業種が挙げられます。代表的な取り扱い製品として、コンピューター、精密機械、コンポーネント製品、工事・保守技術、アプリケーションソフトなどになります。

そして、これらの業種の代理店が持つ機能としてはかなり広範囲になり、機種選定、インテグレーションコンサルテーション、サービスレベルマネジメント、オペレーター、工事、点検整備、リモート監視、システムエンジニアリング、消耗品供給、コスト管理、セキュリティ管理、不可視価値の見える化営業力などとなります。モノに依存せず技術力が必要なことがこの分類の特徴といってよいでしょう。


2.「サービス型代理店」の特性と戦略課題

この分類の代理店が持つ特性として、製品の販売はあくまでも結果であり、顧客の抱える問題を解決することを生業として、技術やソフト、サービスを組み合わせ総合的な価値を高めるサービス業であるということがいえます。

ですので、この分類の代理店の戦略課題は以下の2点になると考えられます。

1)顧客の予算を預かって、いかにして最小経費で最大の効果を出すことができるか
2)イニシャルコストのみならずランニングコストも念頭に置き、いかにしてライフサイクルコストパフォーマンスを高めることができるか


3.「サービス型代理店」をチャネルに持つメーカーの政策課題

第一に、メーカーとして非常に難しい判断を迫られることになりますが、ハード・ソフト・サービスを切り分けた対応をおこなうか、可能な限り自社でトータル受注する方向でサポートするかということが挙げられます。この分類の代理店は、顧客のライフサイクルコストを重視するため顧客からの要求に対してコストパフォーマンスの良い最適な組み合わせを選択する傾向があります。メーカーとして自社のハード・ソフト・サービスが代理店の選択基準(≒顧客の要求水準)に叶うかどうかを判断し、物件ごとに切り分けたほうが価値が高いのか、トータルで採用することで価値が高まるのかを見極めることが大切です。

そしてその他には、メーカー認定資格制度によるコンサルティング能力の付与、納入事例研究会の開催による経験値の共有、技術連絡会による最新技術の習得・共有、異業種メーカー連携ネットワーク組織の構築による採用推奨制度、案件の受失注追求会議による物件ノウハウの共有・構築などとなります。

次回は、各種入札案件やコンベンション事業、イベント業、宴会運営業などの業界に多い『分類E 「課題獲得型代理店」の戦略課題とメーカー政策』について考えていきます。

■■Shimizu's EYE!■■ 顧客管理の仕組みを整えていますか?

2016.9.12の日経新聞電子版に自動車ディーラーのIT活用による店舗での顧客対応と営業担当者の活動を改革する次世代店舗の事例が掲載されていました。

従来の顧客対応は、顧客の来店にスタッフが応対して初めて顧客名や用件を知ることとなり、その後の点検や修理などの作業も応対の中から紙を使って営業担当者と整備担当者の間を繋いで情報伝達・共有をおこなっていました。いわゆる紙による顧客管理です。
しかしながらこの事例では「カルテレス(カルテ無し)」を目指し、ITをフルに活用しているとのことです。まず来店と同時に監視カメラにより車両を認識し顧客と用件を特定する。その情報をもとにアテンダントや営業担当者、整備担当者が準備をすることにより顧客対応の質(待ち時間の短縮や作業精度の向上など)を高める仕組みです。

また、営業活動でもITを活用し、目標達成に向けたプロセス管理の仕組みを電子化しマネジメントに活かしています。

これらの取り組みは、顧客を資産として捉え、長期継続的な取引を実現しライフタイムバリュー(LTV)を高めるものと理解できます。製品中心のマーケティングから顧客中心のマーケティングへのシフトです。

従来から自動車ディーラーでは整備や点検などのサービスをおこなってきましたが、新車販売が伸び悩む中、既存顧客からのサービス収入が重要となってきておりより確実に、そして効率的にそのサービス需要を取り込むことが大きな経営課題になってきています。
そのための中心となるのが顧客管理の仕組みであり、この事例では各担当者の間で顧客情報をシームレスにつなぎ、顧客対応の質の向上や顧客の待ち時間(作業時間など)の短縮などで顧客満足度を上げようとしています。さらにIoT(Internet Of Things:モノのインターネット)も見据えているようです。

これからは、LTVを高めていくための顧客管理のあり方と自社の活動の質が問われる時代になっているということがわかります。

貴社お取り引きの代理店は顧客管理の仕組みを持っていますか?
代理店との顧客情報を共有できていますか?
LTVを高める取り組み・仕組みを構築していますか?

■■編集 はみ出しコラム■■

マーケティング用語としてよく使われるものに「ドリルを買う人が欲しいのは『穴』である」という言葉があります。お客様は製品のスペックが良いから買うのではなく、自分の問題(=穴をあける"コト")を解決したいがために製品(ドリルという"モノ")を買うという考え方です。
営業担当者向けの研修などで、そうした考え方から顧客の状況を深く理解し、顧客のニーズを発見することで、問題解決をすることが営業の仕事とお話しいたします。しかし、ニーズを発見し、充足することは容易ではありません。実際にニーズを見つけたとしても、その解決手法や伝え方などは様々であり、相手によって使い分けることが必要となるからです。
相手や相手の目的を調べ、分析し、提案する。文字にすると単純ですがこのような活動がビジネスシーンのみならず、健康管理や日々の買い物などの私生活までにも求められる時代が近づいているように感じます。 (ひ)



■お知らせ■

●本コラム(代理店再考 シリーズ1−2)を冊子にまとめたものを進呈しております。

●代理店制度構築コンサルティングや、代理店・特約店様への営業支援等のサービスもご提供しております。

こちらから「代理店支援」と書いて、お気軽にお問い合わせください

コラム筆者紹介

講師紹介

講師名 清水 徹
所属 株式会社マーケティング研究協会
コンサルタント
略歴  大学卒業後、大手プレハブ住宅メーカーに営業職(セールスエンジニア)として入社。1997年にマーケティング研究協会に入社。入社後一貫して、「営業力」「マーケティング力」の強化提案を行う企画営業職として多くの業界と関わる。企画営業活動と同時にコンサルティング、営業教育にも携わり「販売代理店・特約店の活性化策立案」「代理店制度の再構築」「販売代理店・特約店の機能強化サポートメニュー開発」「営業担当者のスキルアップ教育」などの実績がある。
◆最近の支援実績
○研修
・オフィス関連機器メーカー 代理店営業部 新人研修
・OA機器販売会社 代理店営業研修
・医療材料メーカー 特約店との関係構築研修(拠点指導)

○コンサルティング他
・オフィス関連機器メーカー 代理店機能分析・戦略再構築
・OA機器販売会社 代理店分析ツール開発
・医薬系食品メーカー 取引制度適正診断
コラム 代理店 =再考2= 連載
代理店 =再考= 連載
担当セミナー 販売代理店に対する「4つの活動」再点検 (2016年7月開催)
■販売目標を達成させる代理店・特約店との取組強化法
■代理店・特約店の稼動化・活性化法
お問合せ ■代理店政策等清水徹へのお問合せはこちらからどうぞ

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