2016年7月11日(月)UP 営業力強化(生産財・産業財)

代理店戦略=再考3【2:分類A 「専門商品複合機能店」の戦略課題とメーカー政策】

代理店戦略=再考= 」「代理店戦略=再考2=」と合わせて、生産財・産業財メーカーの皆様にとって代理店戦略立案の一助となれば幸いです。

なお、本コラムでいう「代理店」とは、製品・サービスをエンドユーザー(法人)に販売するためのチャネル(販路)のひとつであり、一般的には販売代理店、ディーラー、特約店、販売店などの名称で呼ばれている企業を指します。


CONTENTS
 第1回 『なぜ代理店を特性ごとに分類することが必要なのか?
 第2回 『分類A 「専門商品複合機能店」の戦略課題とメーカー政策
 第3回 『分類B 「総合商品複合機能店」の戦略課題とメーカー政策
 第4回 『分類C 「専門商品単機能店」の戦略課題とメーカー政策
 第5回 『分類D 「サービス型代理店」の戦略課題とメーカー政策
 第6回 『分類E 「課題獲得型代理店」の戦略課題とメーカー政策
 第7回 『その他 「広域型代理店」と「地域密着型代理店」の併存

前回のコラムでは、生産財・産業財業界の代理店チャネルの現状と課題を確認し、代理店特性を明らかにする分類方法をご紹介しました。今回は特性分類A「専門商品複合機能店」について代理店の戦略課題とそれに対応したメーカー政策を見ていきます。

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1.「専門商品複合機能店」に該当する主な業種と取り扱い製品、代理店の保有機能

この分類の主な業種として、医科向けサービスや工業用化学品などが挙げられます。ですので取扱い製品としては、医薬や試薬、検査薬、添加物、医療機器のような比較的専門特化した分野となっています。

そして、これらの業種の代理店が持つ機能としては、営業機能、技術機能、試験機能、在庫機能、配送機能、情報提供機能、ユーザー教育機能など多岐にわたるのもこの分類の代理店に見られる特徴といってよいでしょう。

2.「専門商品複合機能店」の特性と戦略課題

この分類の代理店が保つ特性として、専門知識や資格を持った担当者が在籍しているということと、多くの機能を持つことによる自己完結型対応力に優れているということがいえます。

そうなるとこの分類の代理店の戦略課題は以下の5点になると考えられます。

1)単なる売上拡大よりも専門性の深掘りを重視したビジネス展開を志向できるか
2)メーカーの機能を一部自力で代行することによって、顧客への迅速な対応を実現し顧客満足を高めることができるか
3)機能を充実させた努力(投資)を結果(利益)にいかにして結びつけるか
4)専門的な知識や能力のある人材の確保や定着率をいかにして高めるか
5法令遵守や経営倫理を重視・徹底できるか

3.「専門商品複合機能店」をチャネルに持つメーカーの政策課題

前述のような戦略課題をチャネルに持つメーカーの政策課題として、まずISS(In-Store Share)をいかにして拡大させることができるかといったことが挙げられます。この分類の代理店は、より狭い専門化された領域で深く顧客に入り込み、顧客の利便性を高め、顧客満足を得て長期継続的な取引を志向している傾向があります。そのため、ISSを拡大させることによって自社の売上を安定化させることができます。

そのために、代理店の営業担当者に対して業界情報や顧客情報などを早期に提供(メーカーの営業担当者と同じタイミングが望ましい)したり、家庭教師のように困りごと・悩みを個別に解消する支援することによってマインドシェアを拡大させることがポイントとなります。

また、代理店も巻き込んだSCM(Supply Chain Management)を構築することによって顧客に対する迅速な対応とトータルコストの引き下げを実現させることも重要となります。


次回は、理美容機器・什器・用品、住宅建材・設備機器、などの業界に多い『分類B 「総合商品複合機能店」の戦略課題とメーカー政策』について考えていきます。

■■Shimizu's EYE!■■ 顧客接点を強化するために必要なノウハウを作っていますか?

2016.6.30の日経新聞電子版に大手通信キャリアがショップで顧客との接点を確保するための取り組みを紹介する記事が掲載されていました。 総務省の通達で高額なキャッシュバックや実質0円販売に対する規制が敷かれた影響から顧客が店頭を訪れる機会が大幅に減少しており、顧客接点をいかに確保していくかが課題となっているようです。

ご存知のようにショップを実際に運営しているのは販売代理店であり、通信キャリアはこの課題に対する支援策を打ち出すことが自社顧客の維持に必要なこととなります。
そのための取り組みのひとつとして紹介されていたのが、大手通信キャリアが直営店を出店し今までの携帯端末やサービスの他にも幅広い商材を扱い、できるだけ顧客接点を増やすノウハウを自ら蓄積し、その結果を販売代理店が運営するショップにフィードバックをしていくといった試みです。

一般に新商品の発売や新規事業の展開に代理店など外部の販売チャネルを活用する場合、その拡販・展開ノウハウを代理店が持っていないケースがあり、メーカーの思うような成果が上がらないことが見受けられます。
特に昨今では「"モノ"売りから"コト"売りへ」といったフレーズをよく耳にし、プロダクト+サービス(有形財+無形財)を販売していかなければ収益を確保しづらく、顧客の繋ぎとめも難しくなってきています。

新しいプロダクトやサービスをせっかく開発しても、顧客接点をもつ代理店がその価値を十分に伝えることができなければその開発努力も報われないということも多々あります。
そのためにも、まずは自社(直販)でその拡販・展開のノウハウや顧客接点強化の手立てを開発し、代理店に移植していくといったことが重要となってきます。

貴社はこれからの"顧客接点"強化に必要なノウハウを蓄積されていますか?
貴社お取り引きの代理店の"顧客接点"力は十分ですか?

■■編集 はみ出しコラム■■

ビジネスに限らずですが、人間関係を構築することの難易度が年々上がっているのではないかと感じる時があります。「どのような性格か」、「何が得意なのか」など、知っているようで知らないままに、現代では電子メールや携帯アプリで簡単に連絡ができてしまいます。

メーカーと代理店、代理店とユーザー企業間の関係が数十年単位であっても、「この会社はこの製品しか頼めない」という理解のされ方をしてはいないでしょうか。相手にどのように見られているか、自分(自社)はどのように相手を見ているか、そのようなところから時には見つめなおしてみる必要があるかもしれません。  (ひ)






■お知らせ■

●本コラム(代理店再考 シリーズ1−2)を冊子にまとめたものを進呈しております。

●代理店制度構築コンサルティングや、代理店・特約店様への営業支援等のサービスもご提供しております。

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コラム筆者紹介

講師紹介

講師名 清水 徹
所属 株式会社マーケティング研究協会
コンサルタント
略歴  大学卒業後、大手プレハブ住宅メーカーに営業職(セールスエンジニア)として入社。1997年にマーケティング研究協会に入社。入社後一貫して、「営業力」「マーケティング力」の強化提案を行う企画営業職として多くの業界と関わる。企画営業活動と同時にコンサルティング、営業教育にも携わり「販売代理店・特約店の活性化策立案」「代理店制度の再構築」「販売代理店・特約店の機能強化サポートメニュー開発」「営業担当者のスキルアップ教育」などの実績がある。
◆最近の支援実績
○研修
・オフィス関連機器メーカー 代理店営業部 新人研修
・OA機器販売会社 代理店営業研修
・医療材料メーカー 特約店との関係構築研修(拠点指導)

○コンサルティング他
・オフィス関連機器メーカー 代理店機能分析・戦略再構築
・OA機器販売会社 代理店分析ツール開発
・医薬系食品メーカー 取引制度適正診断
コラム 代理店 =再考2= 連載
代理店 =再考= 連載
担当セミナー 販売代理店に対する「4つの活動」再点検 (2016年7月開催)
■販売目標を達成させる代理店・特約店との取組強化法
■代理店・特約店の稼動化・活性化法
お問合せ ■代理店政策等清水徹へのお問合せはこちらからどうぞ

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