2016年6月28日(火)UP 営業力強化(生産財・産業財)

代理店戦略=再考3【1なぜ代理店を特性ごとに分類することが必要なのか?】

前回のコラム「代理店戦略=再考Ⅱ=」の第1回で、メーカーのチャネル戦略は代理店の特性別に構築することが望ましいとお話しました。そしてその分類方法をご紹介しました。

その後、数社から分類別のメーカーが取るべき政策についてご質問をいただきましたので、今回は『「代理店の特性分類別」代理店の戦略課題とメーカーの政策」』と題して分類ごとにその詳細をご紹介したいと思います。



代理店戦略=再考= 」「代理店戦略=再考2=」と合わせて、生産財・産業財メーカーの皆様にとって代理店戦略立案の一助となれば幸いです。

なお、本コラムでいう「代理店」とは、製品・サービスをエンドユーザー(法人)に販売するためのチャネル(販路)のひとつであり、一般的には販売代理店、ディーラー、特約店、販売店などの名称で呼ばれている企業を指します。





CONTENTS

 第1回 『なぜ代理店を特性ごとに分類することが必要なのか?

 第2回 『分類A 「専門商品複合機能店」の戦略課題とメーカー政策

 第3回 『分類B 「総合商品複合機能店」の戦略課題とメーカー政策

 第4回 『分類C 「専門商品単機能店」の戦略課題とメーカー政策

 第5回 『分類D 「サービス型代理店」の戦略課題とメーカー政策

 第6回 『分類E 「課題獲得型代理店」の戦略課題とメーカー政策

 第7回 『その他 「広域型代理店」と「地域密着型代理店」の併存


1.生産財・産業財業界の代理店チャネルの現状と課題

生産財・産業財業界の代理店チャネルは、メーカー販社や専門商社、特約代理店など、業界別に細分化された縦型の流通構造が特徴的な業界です。それと同時に、2次店、3次店など多段階構造も特徴のひとつです。

一方で、生産設備や材料に代表されるように生産財・産業財業界の製品やサービスは、顧客企業の事業活動に重要な役割を担っています。また、商談プロセスは顧客企業の購買プロセスや業務プロセスと深い関係にあります。

そのため、顧客企業が購買する製品やサービスは、事業活動に重要な位置づけであるため長期計画的に慎重な購買活動をおこないます。また購買の際、複数の売り手と交渉をしなければならず、非常に煩雑な購買業務が必要となっています。

こういった状況の中で、業界によっては購買活動の簡素化・代行と自社の生き残りを目的として、代理店が複数の購買機能をワンストップで代行したり、異なるカテゴリーのメーカーや製品サービスを組み合わることにより顧客価値を高めたりする動きが徐々に出始めています。この動きの代表的なものとして「購買マーケットプレイス(購買代行・集中購買システム)」があります。

ただし、今すぐに業界をクロスオーバーさせる代理店(中間流通業者)が増加し、既存の代理店が淘汰されるということは考えにくいですが、顧客企業の要求に対して既存代理店の存在価値を高めることが喫緊の課題であると言えます。



2.代理店特性を明らかにする分類方法

では、代理店の存在価値を高め、自社の製品やサービスを積極的に拡販してもらうためにはどのようにしたら良いのでしょうか?

そのための切り口のひとつとして、代理店の特性に合わせた代理店戦略を構築し、実施・展開していくことが挙げられます。メーカーにとっての"販売代理"業と、顧客企業にとっての"購買代理"業を両立させるための考え方となります。

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●分類A 「専門商品複合機能店」
医薬、試薬、検査薬、添加物、医療機器、などの業界に多い。

●分類B 「総合商品複合機能店」
理美容機器・什器・用品、住宅建材・設備機器、などの業界に多い。

●分類C 「専門商品単機能店」
ガソリン、ガス、工業用薬液、生コン、携帯電話、新聞、などの業界に多い。

※「総合商品単機能店」はほぼ存在しないためここでの解説は割愛

●分類D 「サービス型代理店」
情報システム、通信システム、放送システム、医療診断システムなどの業界に多い。

●分類E 「課題獲得型代理店」
建設工事業、事務用品納品業、OA機器納入業、設備保守サービス業などの自治体公共案件窓口業者に多い。

次回からは、上記5つの分類について、
・代理店の保有機能と特性
・代理店の戦略課題
・メーカーの政策課題
について、考えていきたいと思います。


また、"カバーエリアの広さ"といった切り口から「広域型代理店」と「地域密着型代理店」とに分類し、その併存方法についても考えていきたいと思います。

■■Shimizu's EYE!■■ 外部環境が変化させる需要の"質"に対応できていますか?

2016.6.24の日経新聞朝刊に『複層ガラス、ビルに普及』という記事がありました。2017年4月から延べ床面積2,000平方メートル以上の非住宅新築建物に省エネ法で定められた省エネルギー基準への適合が義務付けられるそうです。対象となる建物はオフィスビルや商業施設、ホテル、病院などの大型建物です。

この省エネ法の後押しにより"単板ガラス"の採用が一般的なこのような建物のガラスが、単価が2〜3倍の断熱性能に優れた"複層ガラス"に置き換えられていくと記事にあります。

このように外部環境の変化で需要が変化することは往々にしてあることです。
この記事からは、マクロ環境分析で使われる「PEST分析」のPoliticsの変化(=基準適合の義務化)が、業界の秩序や市場のルールを変化(=不適合建物の着工が不可能になる)させることが読み取れます。
また、需要の"量"ではなく"質"が変化(単板ガラス→複層ガラス)するということも読み取れます。

多くの場合、「需要」という言葉は"量"のことを指し、"量(総量)"のうちどのくらいを獲るかといったシェア争いの議論はされます。一方でこの記事にあるように"質"が変化することもあり、この"質"をしっかりと捉えることは"量"以上に大切です。

貴社は需要の"質"を捉えていますか?
貴社お取り引きの代理店は"質"の変化に対応できていますか?

■■編集 はみ出しコラム■■

会社や製品の価値や魅力をユーザーに伝えるには、そもそも社内でマーケティングや開発の担当者の想いを営業担当者にきちんと伝え、営業担当者がお客様(代理店)へ、そしてその先のユーザーへと伝える必要があります。

企業様の営業力強化支援をおこなう上で、このように「価値を伝える」ということは関与者が増えれば増えるほど非常に難しいと感じます。また、「価値を伝える」ことと同じくらい「価値を受け取ってもらう」ことも難しく感じます。価値が伝わり、"共有"できるためにどのようなことが必要か、常に考えさせられます。 (ひ)




■お知らせ■

●本コラム(代理店再考 シリーズ1−2)を冊子にまとめたものを進呈しております。

●代理店制度構築コンサルティングや、代理店・特約店様への営業支援等のサービスもご提供しております。

こちらからお気軽にお問い合わせください

コラム筆者紹介

講師紹介

講師名 清水 徹
所属 株式会社マーケティング研究協会
コンサルタント
略歴  大学卒業後、大手プレハブ住宅メーカーに営業職(セールスエンジニア)として入社。1997年にマーケティング研究協会に入社。入社後一貫して、「営業力」「マーケティング力」の強化提案を行う企画営業職として多くの業界と関わる。企画営業活動と同時にコンサルティング、営業教育にも携わり「販売代理店・特約店の活性化策立案」「代理店制度の再構築」「販売代理店・特約店の機能強化サポートメニュー開発」「営業担当者のスキルアップ教育」などの実績がある。
◆最近の支援実績
○研修
・オフィス関連機器メーカー 代理店営業部 新人研修
・OA機器販売会社 代理店営業研修
・医療材料メーカー 特約店との関係構築研修(拠点指導)

○コンサルティング他
・オフィス関連機器メーカー 代理店機能分析・戦略再構築
・OA機器販売会社 代理店分析ツール開発
・医薬系食品メーカー 取引制度適正診断
コラム 代理店 =再考2= 連載
代理店 =再考= 連載
担当セミナー 販売代理店に対する「4つの活動」再点検 (2016年7月開催)
■販売目標を達成させる代理店・特約店との取組強化法
■代理店・特約店の稼動化・活性化法
お問合せ ■代理店政策等清水徹へのお問合せはこちらからどうぞ

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