2016年1月28日(木)UP 営業力強化(生産財・産業財)

生産財・産業財メーカーの営業生産性向上を考える1:営業部門における「生産性」って何?

生産財・産業財メーカーの営業生産性向上のヒントを連載

1.曖昧に使われている"生産性"という言葉

"生産性"という言葉は日常的に使われています。おそらくこのコラムを読んでいただいている方の企業でも聞かれる言葉でしょう。そのような言葉でも、意外と「わかるようでわからない」「人によって解釈が違う」といったようなことが起こり、非常に厄介な言葉の一つです。
その結果、「生産性を高めろ!」という号令が出ても人によって解釈や定義が異なるため議論が成り立たず処方箋の書き方が違うことが多く、成果が出ないといったことが起きてしまいます。また、いろいろやらされる営業現場は疲弊し"生産性"という言葉にアレルギー反応を示すことも多々見受けられます。
皆さんの企業ではいかがでしょうか?

2.営業の"生産性"を改めて定義する

一般的に、生産性はInputとOutputの2つの要素のバランスによって定義されます。
Inputは投入資源のことであり営業部門で言えば"営業量"のことであり営業人員や営業時間に相当します。
また、Outputは得られるリターンのことであり営業部門で言えば"営業成果"のことであり売上や利益に相当します。
この営業量(Input)と営業成果(Output)のバランスから、「営業生産性=営業成果/営業量」といった式が成り立ちます。
そこで、営業生産性を向上させる道筋は次の3つのパターンが考えられます。
  1)分母(営業量)は一定のままで分子(営業成果)を大きくする
  2)分子(営業成果)は一定のままで分母(営業量)を小さくする
  3)分母(営業量)を小さくしつつ分子(営業成果)を大きくする
以下の図をご覧いただくとわかりやすいと思います。

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 そこで、営業生産性を向上させる上でのポイントは、
   A:"営業量"は一定のままで"営業成果"を高めるためには、「正しいことを行なう」
     ⇒ 正しい営業プロセスを踏むこと
   B:"営業成果"は一定のままで"営業量"を減らすためには、「正しく行なう」
     ⇒正しい営業スキルを活用すること
と言えます。

3.営業生産性を高めるアプローチは2つ

第1のアプローチは「正しいことを行なう=正しい営業プロセスを踏む」。買い手である顧客の購買プロセスに合わせ、より効果的な営業プロセスを実践することです。多くの企業では"売り手発想""売り手都合"にもとづく営業プロセスが組み立てられているように見受けられます。これではせっかく商談を行っても、顧客からの発注・契約を勝ち取ることが難しくなってしまい、成果につながりません。
第2のアプローチは「正しく行なう=正しい営業スキルを活用する」。正しい営業プロセスに合わせ、より効率的な営業活動を実践するスキルのことです。顧客の購買プロセスに合わせた営業活動が組み立てられていても、そのプロセスを上手く前に進めるスキルを持ち合わせていないと、活動が無駄になってしまい時間を浪費し効率が上がりません。
このような観点から、自社の現状のみならず顧客の購買プロセスも鑑みて自社の課題を正しく設定しなければ、どちらのアプローチを取るべきかわからず、営業生産性向上の取り組みも成果が上がりません。

4.正しいアプローチによる営業生産性向上への取り組み

現有戦力のままで更に業績(売上や利益)を高めたい場合は、営業プロセスを"顧客の購買プロセス"から見返すところから始め、購買プロセスの"半歩先"を行く営業プロセスを組み立てると効果的です。"半歩先"を行くことで、顧客の購買行動をリードし、商談を優位に進めることが可能となり受注確率(=営業成果)を高めることが可能となります。
また、グローバル展開などで営業人員を海外に振り向けるために国内戦力を縮小しつつ業績を維持させる場合は、数ある商談の場面で活用できる営業スキルを高めるところから始めると効果的ですが、その際のポイントは、営業担当者のスキルレベルを正確に把握し、より効果が望まれるスキルから強化していくことです。そうすることで、営業活動にムダやムラがなくなることで時間効率が高まり、更に顧客接点活動に時間を使うことができるようになります。

第1回では、営業部門における"生産性"を改めて定義し、営業生産性を向上させるために必要な視点についてご紹介しました。

次回は顧客の購買プロセスを考える際に活用できる「購買特性」について考えてみたいと思います。

コラム筆者紹介

講師紹介

講師名 清水 徹
所属 株式会社マーケティング研究協会
コンサルティング・サービス部 部長 コンサルタント
略歴 大学卒業後、大手プレハブ住宅メーカーに営業職として入社。1997年にマーケティング研究協会に入社。入社後一貫して、「営業力」「マーケティング力」の強化提案を行う企画営業職として多くの業界と関わる。企画営業活動と同時にコンサルティング、営業教育にも携わり「販売代理店・特約店の活性化策立案」「販売代理店制度の再構築」「販売代理店・特約店の機能強化サポートメニュー開発」「メーカー営業担当者のスキルアップ教育」「代理店経営者・経営後継者・営業担当者教育」などの実績がある。
【主な指導実績テーマ/業界】
○チャネル政策立案・展開(コンサルティング/教育)
オフィス設備、OA機器、医療材料、産業資材、建築材料、建築設備、計測装置、工業用部品、など
○エリアマーケティング戦略立案・展開(コンサルティング/教育)
建築設備、建築材料、情報関連機器、OA機器、化学品、エネルギー、搬送機器、ソフトウエア、など
○提案営業力強化(教育)
自動車関連部品、医療機器、建築設備、出版、情報システム、生産機械、産業用ガス、など
○営業マニュアル/営業ツール作成
業務用化粧品、OA機器、情報関連機器、など
連載コラム執筆 代理店戦略=再考=
代理店戦略=再考2=
代理店戦略=再考3=
代理店戦略=再考4=

生産財・産業財メーカーの営業生産性向上を考える
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