2015年12月10日(木)UP 営業力強化(生産財・産業財)

代理店戦略=再考2【3代理店の営業力・販売力を高めるためにまず理解すべきこと】

1.有力度・有望度を見極めるエリア市場の「3つの差」を把握・分析する

代理店がカバーするエリア市場についてまずは理解する事が重要となります。
その際、「3つの差」を見ることによって、そのエリア市場の状況を多角的に把握することができ、また整理することができます。
1つ目の観点は"需要"の質と量の差です。
多くの場合、"需要"というと量について指しますが、ここでは質の面からも捉え単なる規模だけではなく需要の獲りやすさについても把握します。需要の質とは、顧客の購買行動特性(製品・サービスの選択基準やコスト感度、品質に対する要求水準、など)のことです。顧客の購買行動特性の違いによって、代理店の効果的な営業活動も変わってきますし、強化すべきポイントも異なります。そして"需要"の量についてはより細かい区分(顧客の業種別や規模別、用途別、など)で捉えることがポイントとなります。
2つ目の観点は"競合"の質と量です。ここでいう"競合"とは提供者(メーカー)レベルのことを指します。 "競合"の質とは、営業(代理店支援)活動やサービスの品質、販促・引き合い獲得方法、顧客満足度、エリア需要と製品・サービスの適合性などです。"競合"の量とは当該エリアに参入している提供者(メーカー)の数であり、エリア市場におけるシェア構造と競争関係を把握することにつながります。
3つ目の観点は"チャネル"の質と量です。自社系チャネルと他社系チャネルの違いを質と量の両面から捉えます。"チャネル"の質とは、地域密着力や人脈・ネットワーク、顧客特性、人材、提案力、などのことを指します。"チャネル"の量とは、顧客数、供給・売上規模、拠点数、営業担当者・サービス担当者数、などのことを指します。自社系チャネルと他社系チャネルの経営資源の質と量を捉えることによってエリア需要の獲り方、競争の仕方を把握することにつながります。

2.販売店の存在基盤を評価する「8つの機能」を把握・分析する

「8つの機能」とは、代理店の存在意義(役割)を果たすために必要となるものであり、本コラム第1回でご紹介した「販売代理業」と「購買代理業」としての機能となります。

 1)地域需要開発機能 :
  企業地位、地域人脈、需要開発投資力、など
 2)販売代理機能 :
  目標達成率、伸長率、新規開拓/既存顧客維持力、提案コンサル力、など
 3)商品知識普及機能 :
  新商品展開力、商品価値伝達力、顧客啓蒙・教育力、など
 4)情報機能 :
  情報提供・収集力、クレーム情報収集力、商品開発・改良情報収集力、など
 5)金融機能 :
  投資資金力、支払条件、代金回収力、信用評価、など
 6)物流機能 :
  在庫管理力、JOT(Just On Time)配送対応力、物流コスト競争力、など
 7)技術サービス代行機能 :
  技術経験、技術知識、専任担当者の有無、サービス窓口、など
 8)方針の理解・浸透機能 :
  提供者(メーカー)方針の理解・浸透力、提供者イベント・販促協力度、など


これらは業界によって異なりますし、同じ業界であっても代理店に期待する湧く割によっても異なってきます。
機能の有無・強弱を把握することによって、代理店の得手不得手、強み弱みを知ることができ、存在意義(役割)に照らしあわせ望ましい姿になるための強化育成するべきポイントが明確になります。

3.顧客満足を高める「3つの要素」と「価値創造の4段階」を把握・分析する

顧客満足という観点から、現在代理店がどのようなポジションにあるのかを把握します。
「3つの要素」とは、製品品質と価格の同質化が進むにつれ、代理店の競争力(=顧客からの支持度)は業務品質と業務コストの差が重要となります。ただし、必ずしも3つとも全てをハイレベルにする必要はなく、顧客要求と競争状況によりインパクトの大きい物に集中することが望ましいと考えます。

 1)Time:アジリティとスピード。意思決定や業務処理動作を迅速化させる
 2)Quality:経営・業務・サービスの品質。完全処理やミスのゼロ化、情報制度を向上させる
 3)Cost:経費削減・効率追求。フラット組織、社員能力を向上させる

そして「価値創造の4段階」とは、代理店の競争力(=顧客への提供価値レベル)の状態を測り強化の方向性を見出すものです。

LEVEL1 キャッチアップ → 他社より劣っている要素の強化
LEVEL2 ラン・アヘッド → 強みをさらに強化し追随を許さない
LEVEL3 ニュースタンダード → 従来標準に対し新満足レベルを創造
LEVEL4 チェンジバリュー → 潜在的価値を発掘し従来の満足要素と置き換える

4.代理店の特性を見極め、真の"戦略パートナー"を明らかにする

これらの情報・分析にもとづき、提供者(メーカー)の「販売代理業」、顧客の「購買代理業」になりうる可能性を測り、優先順位付け(ランク付け)をおこないます。優先度の高い代理店に対しては、最大のリターンを得られるようにするため、戦略パートナーとして設定し、営業活動(提供者の代理店支援活動)や取引制度などにより、より多くのリソースを分配します。
このように戦略パートナーとして設定した代理店は、「販売代理業」「購買代理業」双方の機能を強化するため、今まで特別な支援策を用意するケースもあります。

次回は、『市場での競争力を高める拡販施策の作り方』と題し、代理店を今まで以上に営業力・販売力を強化・育成し、稼働化するための施策の作り方についてご紹介します。

コラム筆者紹介

講師紹介

講師名 清水 徹
所属 株式会社マーケティング研究協会
コンサルタント
略歴  大学卒業後、大手プレハブ住宅メーカーに営業職(セールスエンジニア)として入社。1997年にマーケティング研究協会に入社。入社後一貫して、「営業力」「マーケティング力」の強化提案を行う企画営業職として多くの業界と関わる。企画営業活動と同時にコンサルティング、営業教育にも携わり「販売代理店・特約店の活性化策立案」「代理店制度の再構築」「販売代理店・特約店の機能強化サポートメニュー開発」「営業担当者のスキルアップ教育」などの実績がある。
◆最近の支援実績
○研修
・オフィス関連機器メーカー 代理店営業部 新人研修
・OA機器販売会社 代理店営業研修
・医療材料メーカー 特約店との関係構築研修(拠点指導)

○コンサルティング他
・オフィス関連機器メーカー 代理店機能分析・戦略再構築
・OA機器販売会社 代理店分析ツール開発
・医薬系食品メーカー 取引制度適正診断
コラム 代理店 =再考2= 連載
代理店 =再考= 連載
担当セミナー 販売代理店に対する「4つの活動」再点検 (2016年7月開催)
■販売目標を達成させる代理店・特約店との取組強化法
■代理店・特約店の稼動化・活性化法
お問合せ ■代理店政策等清水徹へのお問合せはこちらからどうぞ

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