2013年1月11日(金)UP マーケティング営業・販売人材育成

「ビジネスを見える化する 図解トレーニング」講師:板橋 悟氏インタビュー1

Q1.2月15日のセミナー開催にあたって、講師としての想いをお聞かせ願えますか?

今回のセミナーは、マーケティングや営業・企画部門に必須のスキルである「図解コミュニケーション」を身につけるための講座になります。私はリクルートに15年間勤務し、企画職、営業職、マーケティング職、新規事業開発職などを経験しました。入社当時の私は説明が下手で、いつも上司から「お前の言っていることはよくわからない」と言われていました。そんな私を助けてくれたのがS先輩の教えてくれた「図解コミュニケーション」だったのです。

話しが込み入ると、言葉だけではなかなか伝わらないもの。アイデアを紙1枚にまとめて、ビジュアル化して図解を使って説明すれば、わかりやすさがまったく違います。ディスコミュニケーションというのは、お互いの頭の中にある「絵」が食い違っていて起こることがよくあります。そこで図解を使えば、複雑な関係性も、さっと共有することができるのです。

このリクルートでのビジネス経験で培った実務レベルの図解ノウハウ・図解スキルを体系化したのが、「ビジュアル思考術」「ピクト図解メソッド」です。本講座は、座学では身につけることが難しい図解スキルを「手を動かす」ワークショップを通じて、習得することを目的としています。最近話題のスタンフォード大学d.school「デザイン思考」アプローチを取り入れたイノベーティブなワークショップもやりますのでご期待下さい。

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座学ではない「手を動かす」ワークショップ講座

Q. "次世代を担うリーダー"とはどのようなイメージでしょうか?

日本の経済は成熟期、いや衰退期に入ったとも言われています。高度成長期の右肩上がり時代のように、「これまでのやり方」を選択しておけばいいという時代ではありません。誰かが解いた既存の答えを暗記するのではなく、「自分なりの答え」を新たに導き出さなければならない時代です。
次世代を担うリーダーに求められるのは、「新しい売り上げを"チーム"で創り出すチカラ」です。今、日本企業の多くが企業業績改善のためにコスト削減を行っています。リストラによる効率化やコスト削減には「利益を生み出しやすい体質になる」という効果があることは間違いありません。しかし、利益の源泉はあくまで「売り上げ」であり、売り上げが伸びないまま利益率だけを改善しても、成長を望むことはできません。企業が苦境を脱し、ふたたび成長軌道に乗るには、新しい売り上げを生む「人材」と「組織」を作らなければならないのです。
ピクト図解は、新たな売り上げを生む商品やサービス、ビジネスモデルを発想するための強力なツールとなります。成功事例を社内で共有する際にも活用できます。そして、社内プレゼンや顧客への営業提案で、新たなビジネスを進めていく時の「共通言語」としても威力を発揮します。
私が注目するスタンフォード大学d.school「デザイン思考」アプローチでは7つの心構えを重要視しており、次世代を担うリーダーには必須です。

1.言うのではなく見せる(Show Don't Tell)
2.人々の価値観に焦点を当てる(Focus on Human Values)
3.明快な仕事(Craft Clarity)
4.素早く形にする(Embrace Experimentation)
5.過程に注意(Be Mindful Of Process)
6.行動第一(Bias Toward Action)
7.徹底的な協働(Radical Collaboration)

変化の激しい時代です。リーダー1人だけで「新しい売り上げを創り出す」のは、S・ジョブズのような天才でなければ難しいでしょう。カリスマ・リーダーを目指すよりも、チームで協働して創出するリーダーシップや思考法などの「方法論」を身につけることのほうが重要である、と私は考えます。



Q. "ピクト図解"というものを簡単にご説明いただけますか?



「ピクト図解」とはどんなものかを知っていただくには、実際にピクト図解で描いた図を見ていただいたほうがご理解いただきやすいのではないかと思います。まず、【図A 】をご覧ください。

これは、スマートフォンの普及によって企業のビジネスモデルがどのように変化するか、カーナビを例として業界の近未来の事業構造をピクト図解で予測したものです



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従来、カーナビは「カーディーラーでクルマを購入する際に純正品などを勧められ、そのまま買う」というケースが少なくありませんでした。もちろん「カーナビはクルマとは別に、機能や価格を比較して選ぶ」という人もいますが、クルマのオプションとして購入時につける人のほうが多数派です。カーナビメーカー、自動車メーカー、カーディーラーは、こうした構造でビジネスを行なってきたわけです。

しかし、GPSを搭載したスマートフォンやタブレット端末の普及により、これまで通用していたビジネスモデルが崩れることになりそうです。スマートフォンにカーナビアプリが入っていれば、ユーザーはこれまでのカーナビにはなかった「どこにでも持ち運べる」「地図を簡単にアップデートできる」といった利便性を享受できます。今後、旧来型のカーナビを買う人は、どんどん少なくなっていくのではないでしょうか。

ピクト図解を使うことによって、カーナビをとりまく新しいビジネスにどのようなステークホルダーが登場するのか、どのようなビジネスチャンスがあるのか一目瞭然にご理解いただけるでしょう。このような業界構造の変化を上司や顧客にレポートする際に文章だけで報告したら、どのようなことになるでしょうか? 意図は正しく伝わるでしょうか?



ピクト図解のわかりやすさを体感していただいたところで、ピクト図の描き方を簡単にご紹介しましょう。ビジネスの本質は、「ヒト(個人や企業)が、モノ(商品・サービス)とカネを交換すること」です。この「交換」に登場するステークホルダー(個人や企業)の関係性をピクト図解では、誰にでもわかるシンボル記号を使って表していきます。使用するパーツは【図B 】をご覧ください。



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「ヒト、モノ、カネ」のエレメントには、必要に応じて企業名や商品・サービスの名前、金額などを書き添えます。

コネクタは、「モノ」と「カネ」が行き来する流れ、つまりビジネスの「関係性」を表すものです。モノの流れを表す矢印は先端を黒く塗りつぶしたものを、カネの流れを表す際は先端を塗りつぶさない普通の矢印を用い「商品・サービス」と「カネ」の流れを明確に意識できるようにしておきます。カネの流れを示す矢印のことは、ビジネスの主体にとって収入になる場合は「インカムライン」、支出となる場合は「コストライン」と呼びます。

オプションは、ピクト図を見やすくしたり、使用シーンに合わせて応用範囲を広げたりするための補助ツールです。

ピクト図解の表記ルールは非常にシンプルです。「こんなに単純なの?」と拍子抜けした方もいらっしゃるかもしれません。しかし、たったこれだけのルールなのにもかかわらず、ピクト図解を使ってビジネスを「見える化」できるようになればビジネス発想力はぐっとアップするのです。

コラム筆者紹介

講師紹介

講師イメージ

講師 板橋 悟
所属 エクスアールコンサルティング(株)代表取締役
略歴 1963年生まれ。慶應義塾大学大学院メディアデザイン研究科在学。「デザイン思考」と「グローバルキャリア」を研究中。東京工業大学理学部物理学科卒後、リクルートに入社。エンジニアとして米国マサチューセッツ工科大学(MIT)に社費留学。帰国後、KIDS向け教育(エデュテインメント)事業を新規事業として立ち上げ、メディアファクトリーに事業部長として出向。子ども達が「イメージ」で直感的に楽しく学ぶビジュアル学習理論を研究。
現在は「ピクト図解」を使った「ビジュアルシンキング」の有用性を提唱している。またビジネスプロデューサーとして、企業の新商品開発・新規事業開発、左脳プラス右脳型プロデューサーの育成に従事している。
講座 ビジネスを見える化する 図解トレーニング
公開セミナーにあたって(インタビュー)

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