2011年6月17日(金)UP マーケティング商品開発・ブランド戦略人材育成・組織力強化

連載:マーケティング実態調査からみる成功企業のポイント【第2回】商品企画のメインテーマはインサイトの洞察!

1.商品企画における課題

国内の市場環境が厳しい現状において、商品を企画する上でのポイントは、製品そのもののパフォーマンスもさることながら、誰に対して(ターゲティング)どのような価値を(ベネフィット)どのような手段で(プロモーション・チャネル)伝えていくか。商品コンセプトを重要視していることが実態調査からわかった。

「商品企画において課題と認識している事項は何か?」という問いに対して、潜在ニーズ(インサイト)の洞察と並んで、商品コンセプトの設計が高い比率を示している。潜在ニーズの洞察は商品コンセプトを設計する上での中核的な事項であることから両比率を合わせ5割の回答者が重要であると認識している。

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対象とする市場の成長率がシュリンクしている中にありながら自社の売上成長率が高い【優良企業】
(以下■セグメンテーション■参照)に着目すると、他のセグメントよりも、潜在ニーズの洞察を重要視する比率が高い。

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また【優良企業】はネーミング・キャッチコピーの比率も高い。価値を訴求する上で重要な要素と認識していることが読み取れる。
対して市場成長率が上昇しているのにも拘らず自社売上成長率が低い【残念企業】は、他の層と比較してポジショニングを課題としている。これは他社との競合優位性を確立できていない状況の裏返しと考えられる。

2.商品がヒットするのに必要な要素

では商品がヒットするのにはどのような要素が必要なのであろうか?全体では、SAで「商品コンセプト(40%)」、「機能(16%)」、「品質(12%)」という順となっている。BtoC企業が「商品コンセプト(41%)」「品質(14%)」を重視している傾向が見られるのに対して、BtoB企業では「機能(22%)」「価格(11%)」を選択する率が高い。MAではBtoCの「広告宣伝(48%)」「パッケージ(36%)」「キャッチコピー(28%)」が目立つ。マーケティングの施策展開の違いが現れた結果となっている。

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セグメント別では、他が「商品コンセプト」で43%〜48%の比率を示しているのに対して、【優良企業】は27%に留まっている。代わりに比率が高いのは「品質(20%)」となっている。良いもの(高品質)をつくり、コンセプトワークによって価値を創造・付加することで、広く顧客の支持を獲得しようという姿勢がうかがえる。

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また他が「品質」よりも「機能」を重視していることを勘案すると、訴求事項をシンプルに分かりやすく提示しようと工夫している意思が読み取れる。製品そのものの差別化が困難な現在において、顧客に分かりづらい、新しいが小さな「機能」を訴求するよりも、「上質である」というプレミアム感を醸成する方が、顧客へは受け入れられるのではないかと考えられる。
同時に【優良企業】では「ブランドイメージ(MAで56%)」「広告宣伝(同47%)」「パッケージ(同37%)」「キャッチコピー(同26%)」の比率が他のセグメントと比較すると高い。
商品価値をターゲットに対して効果的に、そして効率的に伝達するための工夫が重要であると認識していることがうかがえる。



■ セグメンテーション ■

2010年10月〜12月 実績において、市場成長率と自社の市場成長率の対比によって、4つのセグメントを抽出し、セグメント間の比較を行い、環境変化が激しい国内市場における方向性を検討した。
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考察
  • 商品コンセプトというと、それだけで顧客視点を貫いていると考えられがちであるが、競合企業との優位性を確立するには、顧客の立場に立って何が最良であるのかをしっかりと考えなくてはいけない。【インサイトの洞察】


  • 製品をヒット商品とするには、その価値をターゲットに対して、充分に伝える必要がある。ブランドであり、ネーミング・パッケージ・広告宣伝を駆使して、組織が一丸となって、ヒット商品作りに尽力することが求められている。【ブランド強化】
  • ■「仮説力構築」のご案内

    マーケティング研究協会では以下のソリューションメニューをご用意しております。


    【商品コンセプト強化 ワークショップ】のご案内

     上記結果を受けてソリューションメニューをご用意しております。
     詳細はPDFの資料にてご確認いただけます。

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    コラム筆者紹介

    講師紹介

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    講師名 蛭川 速(ひるかわ はやと)
    所属 株式会社フォーカスマーケティング 代表取締役
    略歴 中小企業診断士。1969年生まれ。1991年、中央大学商学部卒業。同年(株)常陽銀行に入行。1997年(株)マーケティング研究協会に入社。専務取締役を経て2012年5月から現職。著書に「マーケティングに役立つ統計の読み方」がある。企業のマーケティング支援業務に15年間携わった経験から、実務で活かせるマーケティング戦略を提唱。商品企画や販売促進などマーケティング実務におけるコンサルティング活動とマーケティングリサーチ支援を行う。ビジネスセミナーや企業研修講師としても活躍。 「マーケティングは仮説設定が全て」を信条として、定量データから仮説を設定するプロセスを構築。企業実務での支援活動に注力している。
    セミナー ・必修!マーケティングの基本
    ・FACTデータからの仮説設定術
    ・データに基づいたマーケティング仮説の立て方
    コラム マーケティング実態調査からみる成功企業のポイント(連載)

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